2008年9月27日土曜日

第2回/9月26日 STEP1<かたちときもち>その1

「きもち」を「かたち」にあらわす線をひく
 引かれた線の「かたち」から「きもち」を沿わせてみる
 ここでは、きもちとかたちのかかわり方にどんなことに気付くのか意識を巡らしてみる。



WS4 息を吐く―吸うを線にあらわす
 B4画面の横軸に時間を、息を吐く―下降線を、息を吸う―上昇線を
最初は、自然体で呼吸に沿わせて線を引いてみる。
次に、呼吸のリズムや吐くから吸うの変化、呼吸の深さや速度など意識的に変化をしてみて、それらを手の動きと連動させてみよう。
最後に、呼吸に合わせての線から線の動きに合わせて呼吸をやってみよう。それぞれを同じ画面に色を変えて重ね描きしてみる。どのような線が引けるだろうか。



 WS5 水平線をひく
 B4画面の横位置で、上下天地の二本の線を引く。それも普段使わないほうの逆手で。(色鉛筆)
次に天地の間に目で見て真ん中の線を引く。
順次、引いて出来た間の真ん中を線で引いていく。間が狭まって線が引けなくなるところまで引いていく。途中、随時、色を変えていく。
ここでは、線と線の間を埋めていくことできもちがどのように変化するだろうか。線を引くという単純な繰り返しの行為が体感覚にどのような変化をもたらすのか。そのときの呼吸はどうだろうか。筆圧や線を引く速度、線の濃さ、かすれ、ふるえ、線の太さ、など、など、どんなことに気づくだろうか。
最後に、画面全体を見て浮かんだことばを画面に書き入れてください。



 

 WS6 線を引くと塗るの差異
 B4画面にパスを用いて画面全体に自由に線を引く。とりあえずは、選んだパスを全部使い切ってしまいます。線は自由に引いて構わないが、塗るという意識ではなく引くというきもちで画面全体を覆いつくす。(以降は、次週へつづく)



2008年9月19日金曜日

第1回授業オリエンテーション

身体感覚に基づく造形表現
第1回 9月19日授業記録;オリエンテーション
授業概要別紙の説明、解説
 はじめに;アートはハートの<きもち>を<かたち>にする行為。
<かたち>にすることで<きもち>に気付くと同時に相手との交流(コミュニケーション)が生まれる。
<かたち>を通じてのお互いの想像の場が発生してくる。
<ことば>はリアクティブな<かたち>の一つ。
<かたち>は、FORM(形式、形態)。
<きもち>は、身体で感じることから生まれる。FEEL(感受、感性、感覚・知覚)。
to Feel、と to Form の交感。その過程で気付くことto Find にこの授業のねらいがあります。
どんなことを気付くかは、それぞれのお楽しみです。皆さんがそれらを共有することで大きな財産になると思います。

<からだときもち>、<ものとイメージ>、<ことばとアイデア>の各ステップの意義付け
step1 <からだときもち>では、五感をもとに身体全体で感じることを自覚すると同時に拡げ深める体験をもとにきもちの動きを知覚することで表現の発生を体験する。
step2 <ものとイメージ>では、具体的な土、木、石、紙、紐、塊、などものとかかわることでイメージが発生し、また変容するさまを体験する。見立てやイマジネーションの生成を感じ考えてみる。
step3 <ことばとアイデア>では、ことばの象徴性から想像性、ストーリーの発生から発想の過程を体験する。ことばは声に通じ、声は話し、語り、意識化、概念化、そして想像、計画とアイデアの源泉を感じ考えてみる。

導入として;身体感覚による気づきの導入として以下のワークショップ(以下WS)を行った。
WS1 古新聞紙を破らないように注意してできるだけ柔らかく揉み解す。
 ;どんなことに気づいたか?/柔らかい、別のものみたい、布のようだ、和紙みたい、/縮んだ、伸び縮みする、/気持いい、(包まれて)寝たい、ボーっとなれる、/手にインクが付いた、/その他


WS2 新聞紙を楽器に見立てていろんな音を出してみる
各グループで歌を決め演奏発表する/「かえるのうた」、「チューリップ」、「めだかの学校」、など
新聞紙を揉んだり、丸めてたたいたり、ひっぱったり、破ったりと、いろんな音が生まれた。さらに歌に合わせて合奏するとリズムや表情、音色など、即興的なグループ発表でしたが愉しい表現が生まれました。



WS3 残りの新聞紙でできるだけ高いタワーをつくる。制限時間は10分
グループワーク。限られた条件で目的に対してどう感じ考え解決策を見出すか。それぞれの方法で文字通り手探りでの応答でした。





ART は、HEART のかたち付け。HEART-HEART- とつなげるとEARTH 地球が見えてくる。身体で地球を感じることはアートの基本。地球は私たちをシャボン玉のように包み込んでおり、身近な息、熱、重さ、生き物、風、天気、季節、などなど足の裏や肌の身体全体で感じることが出来る。アートは、クリエイション=創造行為といわれるが、はたして何を創造するのですか?創造とはどういうことですか?この問いは、授業の課題です。各自、授業を通じてこの問いを深めて自らの解を探してください。

造形表現ー身体感覚による造形ー2008

このブログは、下記授業のブログです。2008年9月より2009年の1月までの期間です。
受講生の皆さん、是非、投稿をお願いします。
授業シラバス
■科目 造形表現演習 2008年度1年生後期 京都女子大学短期大学部初等教育学科
□担当者 水野哲雄 □金曜日2講時10:30~12:05 □受講生 25名

■ 副題 身体感覚に基づく造形表現
■ 授業概要(目標)
 造形表現の誕生・発生を具体的な体験を通じて学ぶ。五感を含んだ身体感覚の気づきの体験、具体的な材料や素材との体験、そして道具やことばを通じて自らの造形表現とは何かを感じ意識する。自分のかたちが生まれてくる体験と造形表現の気づきが目標。
■ 授業内容(計画)全15回
1オリエンテーション;導入ワークショップ
2~5 STEP 1 <かたちときもち>;○グルグル・スクリブル ○リズムで描く ○オノマトペで描く ○文字を書くから画を描く ○目で描く ○みんなで描く廻し描き ○触って描く ○気持と色彩 ○かたちの気持 ○その他
6~9 STEP 2 <ものとイメージ>◇小石から ◇小枝・ヒゴから ◇ハリガネから ◇麻ひも・タコ糸から ◇積み木をつくる ◇重力・バランスから ◇土・泥から ◇その他
10~13 STEP3 <ことばとアイデア>□名前のはなし □ことばの木 □見立てとストーリー □ことばあそび □星座法と発想 □ことばの描写 □絵本をつくる □その他
14-15 発表・まとめと振り返り

■評価方法; 出席、発表・プレゼンテーション、ポートフォリオ(授業日誌)
■教科書 なし
■参考書 必要に応じ授業内で紹介
■備考;この授業は保育の実践のための造形表現を学習するものではなく、むしろ自分自身の表現活動を学ぶことを主眼に、教えるためではなく、自らが造形表現することの意味を知る授業を目指しています。