2008年10月25日土曜日

第6回10月24日STEP2<モノとイメージ>その1


<モノとイメージ>のテーマは、あるという存在感や物質感、触覚的に知覚できるものと視覚的な目に映る表象といったイメージとの遷りについて感じ、考えてみる。手で知覚できるものから目で知覚することの相違や差異はなんだろう。発達的には触覚から視覚へと広がっていくが、それはどのような変化をもたらすのだろうか。この単元では、モノという存在と表象というイメージ(思い描く像)の関係を巡ってみよう。
まずは<色>から。色はモノとイメージのどちらに属するのか、それとも別のなにかだろうか。
それぞれの色をテーマに、身の回りのグッズを持ち寄る。
カラースペクトルの順に並べてみる。
赤ーオレンジー黄ー緑ー青ー紫の順、明るいと暗いを上下に。
三原色、色相、明度、彩度などの色の属性。
残像効果を試してみる。約30秒ほどグッズをみつめた後、白い紙をみつめるとどうなるか。
固有色と反射色、材質の違いと色味、など。身近なもので色を観察。

WS15 並べる(配置と秩序)
B4画用紙のうえに、5つの身の回りのグッズを並べてみる。そのときになんらかの秩序を与えなさい。
5つのモノの関係を意識してみる。

WS16 顔に見立てる
5つのモノで顔をつくり、そのキャラクターをイマジンする。
キャラクターは、年齢、男/女、趣味、好き嫌い、性格、家族、職業、など、など、できた顔の表情から勝手にイメージを拡げてみよう。

2008年10月17日金曜日

第5回17日STEP1<かたちときもち>その4

きょうは、<うつす>をテーマに「かたちときもち」の関係を感じ、考えてみる。
準備;半紙、パス類、色鉛筆、等


WS13 フロッタージュ;教室およびその周辺からいろんなものを擦りだしてみよう。

凹凸のある表面を擦ることで、手の運動系と触覚感、そして視覚の効果などを味わう。
同じものを色を変えて擦りだしてみる。

少しずらして見て擦りだす。
違う表面を重ねて擦りだす。
パス、色鉛筆と描画材の変化で擦りだす。

色を変えて、重ねてみて、手で直接擦ってみて、など、遊び心一杯に試してみよう。


WS14 コラージュ;B4画用紙にフロッタージュした半紙を切り貼りして画面構成を試みる。
まずは、画面に触発されるがままに切り貼りしてみる。

形に添って切り出す。部分を集める感じで切り貼り。

同じ色合いでもテクスチャーの違いを。

出来たものを鑑賞。


<かたちときもち>の相互の関係について、各種試みてきました。どんなことを感じ、考え、思ったでしょうか。
<かたち>になる過程には、いろんなことが見え隠れしてきます。
ステップ1は、身体全体で感じることをベースに、手と道具、材料の性質などに気づいてほしいと思います。手と道具の間をつなぐものには、運動系と神経系、触覚や視覚、そして聴覚といった多様な感覚が混在します。
<うつす>行為には、映す、写す、移す、といろいろな意味合いが含まれてきます。
フロッタージュは、ある種写真の原型です。その形には、実在という感覚知覚されたモノの実感が裏打ちされているからです。それらが、表象という視覚像へとかたちを遷していくには、複雑な経路が介在します。
「かたち」になっていく過程は、「きもち」が意識される過程でもあります。

次回からは、ステップ2として、「モノとイメージ」をテーマに、具体物から私たちは何を感じ、またどのような見方や関わりが生まれるかを扱います。
来週は、色を一色決めて、身の回りのモノ三つほど持ってきてください。
例)赤;赤い財布、赤い表紙の本、赤いスカーフ、など、といった具合です。
選ぶ色は、自由ですが、複雑微妙な色よりもできるだけわかりやすい単純な原色や純色がしやすいと思います。どんなものが集まるか楽しみです。

2008年10月11日土曜日

第4回/10月10日STEP1<かたちときもち>その3

前回の<ws四角を描く>の振り返りから;廻し描きすることで気づくこと。
画面をつくろうとするよりもリズムや身体の描く動きが意識される。
画面を通じて会話をしてるようで他者との応答、リアクションが意識される。
何よりも絵が下手でも楽しく参加できる。
最後に塗るのが描くのと違った感触を感じた。


今回は、筆と墨で道具や描き方がどのようにきもちとかたちに影響を与えるかを体験してみる。
ws9 立て描き
まずは、筆の持ち方から名前をひらがなで半紙に自由に書く。
筆の筆触や手の動きをいろいろ遊んでみる。
筆が紙と触れる先っぽの感触を得るために半紙を左手で持って<立て描き>をしてみる。

相手に半紙を持って支えてもらって。裏から見ると筆の動きがよくわかる。
ここでは、「書く」よりも「描く」を意識して。手の動きがきもちを動かすように頭を刺激する。

ws10 目の動きを筆に伝える
;コンタードローイング 目の動きを意識するために指差しをしてみる。片目でゆっくり指先をなぞるように動かしていく。

画面を見ないで目の動きに沿って筆を動かしてみると。

ws11 手と筆のあいだを伸ばしてみる
;<テンション・ドローイング>と命名。(倉科勇三さんのwsからヒント)

1mほどのヒゴに筆をテープで止めて描いてみる。ままにならない身体の動きにイライラ感がつのってくる。そんなときは、幼児のなぐり描きを思い出そう。
まずは叩いて、叩いて、ぶらぶら揺らして、揺らして。振って、振って、と頭を空っぽにして身体と手の動きに身をゆだねてみると。

ws12 ローラーで描く

アルミ線でフリーな線をつくる。ローラーに墨をつけて半紙にうつす。


次回は、<うつす>;写す、映す、移す、、。

2008年10月3日金曜日

第3回/10月3日STEP1<かたちときもち>その2

WS6線を引くと塗るの差異(つづき)
画面全体にパスで描いた上に、色を変えて塗る。

最初はパスでやわらかく塗ると画面の凹凸が浮き上がってくる。
さらに画面に塗りこんでいってスクラッチの下地をつくる。
塗るという感触は、線を引くのと違って「なぜる」、「こする」といった触覚的な肌触りや手の動きを感じる。かくという手の動きの変化や画用紙の厚みややわらかさ、弾力といった手を動かす抵抗感のようなものを感じられるだろうか。

次に、硬いもの(ヒゴを使用)で表面を引っ掻いてみる。その感触。

引っかいた線をパスで上描きしたり、こすったりすれば何度も引っかくことができる。
ここでは手の赴くままにラクガキしてみよう。



WS7 字を書くと線を描くのあいだ(線をかく導入練習として)
B4画面を横位置で4段に
第1段に、なまえをひらがなで横幅一杯に(目で測りながら)書く;文字を書く動きと左脳の意識
2段目に、文字と運筆の動きすべてを画面から筆記具を離さないでなまえをかく;文字と手の動きの線の同居、左脳と右脳の混乱
3段目、文字の形よりも手の動きや線の抑揚、かくスピードや変化などを意識してすばやくサインするようにいっきに描く;線で文字を書くから、手の動きやきもちの線を描く(読めなくとも構わない)
最後の4段目では、四拍~五拍のリズムでいっせいに描いてみる


ひらがなはどのようにしてできたのか? <あ>←<安>

WS8 四角を描く(4人グループで1分間ごとの廻し描き)
画面に色鉛筆で四角を自由に描く。1分間描いたら画面を隣の人に廻して、四角を描き加えていく。

一巡した最後は、自由な色で任意の線で囲まれたところを塗ってみる。
ここでは、意識的に四角形というかたちに特定することで、かく=手の動きを導入。
どんな画面ができるのだろうか。
次回につづく